レポートの書き方

ここでは,主に計算を伴うレポートの書き方を説明する.

概要
各項目について
結果の妥当性の評価
その他の留意事項
最後に

レポートチェックリスト


概要

レポートの目的

レポートは計算・解析方法,結果が正しいことを第三者に説明するために作成するものである.したがって,それらの内容が読み取れるように書く必要がある.

そのため,使用している式,物理定数などを明記し,必要に応じて計算過程が追えるようにすべきである.

また,結果の妥当性について判断した上でレポートを仕上げるように心掛けることが大切である.

レポートの構成


各項目について

課題内容

 課題内容を書く.何をどのように検討し,結果として何を得ようとするのかを具体的に説明する.まとめを書くにあたっては,その内容がこの目的に即しているか留意する。

[例] FEM解析により2層1スパン建物の水平剛性を求める.その際に,1階柱脚を固定・ピンとした場合について解析し,柱脚の条件によって水平剛性がどの程度異なるかを比較検討する.

解析・計算方針の説明

 解析・計算の具体的な説明と必要に応じてその妥当性について説明する.

[例] 2層1スパン建物の水平剛性を求めるために,FEM解析を採用する.図1に示す骨組みモデルの節点2,3に水平力を加え,それぞれの節点の水平変位と荷重の関係から水平剛性を求める.
 水平荷重は地震応答の大きさを考慮して,逆三角形分布を仮定し,節点2,3でそれぞれ1,2Nとする.

計算過程の説明

 第三者が計算過程を追えるように丁寧に書くべきである.

[例] はりの断面2次モーメントIb を以下に求める.
 はり幅:b はりせい:h とする。
  b=30cm, h=60cmより
 Ib = b*h3/12= 30*603/12 = 540000 cm4
 計算式は,定義式(この場合は,b*h3/12)を明記した後,それぞれの変数に値を入れた式(この場合は,30*603/12)を書く。結果には単位を付ける。

 計算式が長くなるときには,計算式の意味を考えなから途中の計算結果を明記する。

 はり幅をb,はりせいをhとし,x軸から断面重心位置の距離をaとすること,x軸に対する断面2次モーメントIbは,

 Ib= b*h3/12 + b*h*a2 = 30*603/12 + 30*60*102 = 540000+180000 = 720000 cm4 

このように書くことで,検算が容易になる。

結果のまとめ

 目的とする計算結果は計算過程の中で示されているが,最後にそれをとりまとめる. 

[例] 1階柱の固定条件を変えて,2層建物の水平剛性を求めた.結果を表6にまとめて示す.

表6 水平剛性の計算結果

k1(1層水平剛性) kN/cm k2(2層水平剛性) kN/cm
1階柱脚固定の場合 360 280
1階柱脚ピンの場合 110 260
剛性比(ピン/固定) 0.31 0.93

表6より,一階柱脚の固定条件を固定からピンに変えると,1層の水平剛性は0.31倍に低下するが,2層の水平剛性は0.93倍と若干低下する程度であった.


結果の妥当性の評価

[例] 表6の例では1階柱脚の固定度を下げれば,水平剛性が下がること,その度合いは2層部分より1層部分で大きいことなどは物理的に考えて妥当であると考えられる.


その他の留意事項


最後に

 レポートは計算結果のメモではありません.したがって,計算しながらレポートを書けるようになるにはかなりの訓練が必要です.最初のうちは計算を ノートなどで済ませてから,レポートを書いてください。慣れてきても,レポートのレイアウトを考えながら書くことが大切で,提出用のレポートでいきなり計 算することは避けてください。

 ここで説明した書き方に沿ったレポートを作成すれば間違った箇所は教員が発見しやすく,適切なアドバイスを送ることができます.また,自分自身でも間違いを発見し易くなります.

 今後は,設計図書などを第三者の評価機関に説明する必要も出てきますので,在学中に他人にわかりやすいレポートを書く訓練をつんで下さい.

  レポートの書き方をく解説する本が数多く出版されています。このことは,いかにレポートがきちんとかけていないかを意味すると同時に,レポートを書く技術い かに要求されているかを表すものです。したがって,できるだけ早い時期にそれらの本を読んで手法を学んだ方が効率よく作業を進めることができます。また,この種の本の中には研究のとりまとめ方まで書いてあるものもあり,卒業研究を進めていく上でも非常に有効である。

レポートの書き方を解説する本の例